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一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決


2016年4月17日(日)
Dilma Rousseff(ヂウマ・ホウセッフィ)ブラジル第36代大統領の、
impeachment(弾劾)の是非を問う下院での投票が行われた。



Wikipédia より
2016.04.21_01 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決



結果は、



2016.04.21_02 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決



賛成:367票
反対:137票
棄権:7票
欠席:2

で、賛成が全513議席の3分の2を超え、弾劾は下院を通過。
上院で過半数が賛成すれば、ヂウマ大統領は職務停止、弾劾裁判へと持ち込まれる。
もともと上院での賛成多数は確実視されており、下院で承認された今、弾劾は確実と見られている。


今年のブラジルは、秋になっても引き続き強烈な熱波に覆われている。
全国的に猛暑の日曜日となった17日、
午前中から全国各地で、
弾劾賛成派は黄色と緑のブラジルカラー、
弾劾反対派はPT(ペーテー=労働者党)のイメージカラーである赤に身を包み、
デモ活動を繰り広げた。



Época Negócios より
2016.04.21_03 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決
採決の行われるブラジリアの連邦議会議事堂前に集結した賛成派



MS pontocom より
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賛成派で埋め尽くされたサンパウロの目抜き通り、アヴェニーダ・パウリスタ



UOL より
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リオのビーチに集結した反対派



g1.globo.com より
2016.04.21_06 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決
ヘスィーフィの反対派



夕方、下院議員による投票が始まると、
飲食店や街の広場やメインストリート、ビーチなどに大勢の市民が集まり、
まるでサッカーW杯の試合の時のように、設置された大スクリーンで議会での採決の様子を “観戦”。


g1.globo.com より
2016.04.21_07 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決



2016.04.21_08 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決



この日はテレビ番組も朝から一部内容を変更したり、
随時ブラジリアの連邦議会議事堂や各地のデモの様子の中継が入った。
投票前の審議では、議員同士が叫んだりもみ合いになったり騒然とした雰囲気に包まれ、
審議と投票は9時間超に及んだが、
ほとんどの地上波テレビ局が採決の一部始終を生中継。
ブラジルは IMPEACHMENT(弾劾)一色に染まった。


大統領の弾劾は、1992年の、第32代大統領 Fernando Collor(フェルナンド・コロール)以来となる。
ニュースなど報道番組ではこの時の様子も繰り返し放送しているが、
議会での採決の様子など、どちらがどちらの映像なのか区別がつかないほど、今回とそっくり。
ちなみに、
フェルナンド・コロールもまた、今回のペトロブラスがらみの汚職事件で、収賄容疑で起訴されている。


各州ごとの選出議員がアルファベット順に議長に呼ばれ、呼ばれた者はマイクに向かって、

SIM(スィン=イエス、つまり弾劾に賛成)

か、

NÃO(ナォン=ノー、つまり弾劾に反対)

を、表明するのだが、、、

513名もいる下院議員は、その一人一人が全国的に目立つことはあまりないので、
地上波のほとんどで生中継されているこのチャンスを逃さない。
いちいちミニ演説をぶちかまし、孫のお誕生日祝いメッセージを叫ぶ議員などもいて、
議長に “早く投票しろ” と促される者が多かった。



Gazeta da Cidade より
2016.04.21_09 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決
Câmara dos Deputados(下院議会)での採決



まぁだいたい所属している党名で SIM か NÃO かわかるし、
SIM は黄色と緑のブラジルカラー、NÃO はPTの赤の洋服やタスキを着用している議員が多いので、
呼ばれた時点でどちらなのか、予測はつく。


ヂウマ大統領の弾劾手続きに至った直接の理由は、
2014年の大統領選挙再選を有利にするため、国の予算を不正執行したこと。
圧倒的な赤字を隠すため違法なやり方で穴埋めし、国家予算の帳尻合わせをちょろまかした、
ってことらしい。

しかし、SIM、NÃO、どちらの議員のミニ演説も、
ヂウマの予算ちょろまかしではなく、
"Lava Jato" 汚職事件に関連した、国民の関心事に終始していた。

PT(ペーテー=労働者党)の議員は、
“今回の弾劾手続きは民主主義に反する golpe(ゴウピ=クーデター)だ!” の一点張り。
ヂウマ大統領ご本人も一貫して、“É golpe!”(クーデターだ!)と叫び続けている。


議員数の多い下院での採決はあまりにも時間がかかるのでとっくに飽きてしまった 23:07、

通過に必要な、賛成 342 に達し、 ヂウマ大統領の弾劾は下院で事実上承認された。

(この時点の反対+棄権+欠席 135)

賛成342票目の決定打、おいしいカードを引き当てたのは、
PE(ペルナンブッコ州)選出の、
Bruno Araújo(ブルーノ・アラウージョ、PSDB=ブラジル社会民主党)議員。



Diário do Poder より
2016.04.21_10 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決
下院通過決定の票を投じることを誇りに思う、とブルーノ議員



UOL より
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一旦お祭りムードになった議場



Novo Cidadão より
2016.04.21_12 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決
賛成票が342に達したことで湧き上がる賛成派市民



もちろんこのあとも投票は続き、
最終的には当記事冒頭に表示した結果となった。

すでに深夜となっていたが、
各都市で賛成派市民たちによる爆竹や花火が鳴り響き、勝利の行進が始まった。


さて、
このヂウマ大統領の IMPEACHMENT(弾劾)が成立した場合、
腐りきったブラジルの政治はよくなるのか?

ここからは、
これまでの流れやニュースやジャーナリストたちのブログ記事を見たり、
弁護士や政治家、検事・判事さんなども含めた SNS投稿、
ここ最近は人々が集えばたいていこの話題になるので、友人・知人たちとの井戸端会議、
などを踏まえた、
あくまでも私見になることをご承知おきくだされ。


♪一歩進んで二歩下がる♪

というのが、私の率直な見解である。


光熱費や基本的な食料品なども含めたひどいインフレ、
消費の低迷による経済の混乱、
ここ20年ほどで最高の失業率、
などなど、
自分たちだけが “儲かる” 場当たり的な経済政策によって、
国民の生活に大きな支障をきたしてきた PT(ペーテー=労働者党)。
次の大統領選挙(2018年。就任は翌2019年の1月1日)までこのままではとても耐えられないので、
一刻も早い政権交代は強く望まれるところ。

この意味では、一歩前進したと言える。

ヂウマ大統領弾劾が上院でも承認され法廷で認められた場合、
副大統領である Michel Temer(ミシェウ・テーメル)が大統領代行を務めることになる。
彼は PT(ペーテー=労働者党)ではなく、
連立政権の最大勢力 PMDB(ペーエミデーベー=ブラジル民主運動党)所属。
この PMDB が連立を離脱したことがヂウマ弾劾手続きを加速させ、
PT(ペーテー=労働者党)はこの一連の動きをクーデターだとしている。

しかし、
この副大統領 Michel Temer(ミシェウ・テーメル)も、
そして、
今回の弾劾採決の司会進行をしていた、
同じく PMDB(ブラジル民主運動党)の Eduardo Cunha(アドゥアルド・クーニャ)下院議長も、
ペトロブラス社を巡る未曾有の汚職事件 “Lava Jato” に関与していた証拠がすでに挙がっている、
“黒い議員” なのだ。

もっと言えば、
半官半民のオイシイ石油大企業・ペトロブラス社を巡る汚職は PT(ペーテー=労働者党)が政権を握る以前から、
PMDB(ペーエミデーベー=ブラジル民主運動党)や、
PSDB(ペーエスィデーベー=ブラジル社会民主党)などの関与も取り沙汰されており、
ブラジル政界の大物は、党派を超えてほとんど真っ黒と言われている。

では、
ここへ来て PT(ペーテー=労働者党)を政権から引きずり下ろす裏に、どんな意義があるのだろう?

要するに、PT の素人的、成金的なやり方が、危なっかしくて任せておけない、
ってことなのではないか。

これまでにも大規模汚職事件は、表に出ては消えを繰り返してきた。
PMDB(ペーエミデーベー=ブラジル民主運動党)や PSDB(ペーエスィデーベー=ブラジル社会民主党)は、
物価を安定させ、国民の怒りが沸騰しないようだましだまし舵取りをしてきたが、
それでも、度重なる不正疑惑に対する国民の怒りを抑えきることができず、
2002年の大統領選挙では、
工場労働者で貧困層出身、カリスマ性のあるルーラ(PT=労働者党)に人々の期待が集まった。
ルーラはこの選挙で、ブラジル民主主義史上最大の得票数で勝利している。

2期8年間、なんとか国民の反発を抑え抑えやり繰りしてきたルーラ大統領。
ルーラの申し子であり、ルーラに引き続き2期目の当選も果たしたブラジル史上初の女性大統領ヂウマ。
長いこと政権を握っている PT(ペーテー=労働者党)が、
ブラジル社会を安定させ、物価も安定させ、国民にある程度の満足感と安心感を与えながらうまいこと不正をし、
地味にコツコツと自分たちや野党議員の私腹を肥やし続けていればきっと、
大統領の IMPEACHMENT(弾劾)などという事態にはならなかったのではないか。
野党議員たちも、
PT 傘下でうまいことトクできれば、おとなしく次回の選挙を待ったことだろう。

ところが、PT は派手にやりすぎた。
世界有数の優良企業だったペトロブラスを、一連の汚職で経営破綻寸前にまで下落させてしまった。
国内のみならず世界からも信頼を得るビッグチャンスだったW杯開催も、派手に汚職って丸つぶし。
他国開催と比べて突出した予算を取り、大半を利権を持つ人々で分けてしまったため準備も間に合わず、

Go to Copa das Confederações が始まったブラジル!の光と影

Go to 泥棒と詐欺師のワールドカップ

このタイミングでブラジル史上最大の汚職事件が明るみに出る、という、
国民の怒りを爆発させるにこれ以上ない状況を生み出してしまったヂウマ大統領。
オマケに、
連邦警察や検事・判事、弁護士たちの一部も、汚職事件の公正な裁きを求めはじめている。
彼らをコントロールしきれない PT(ペーテー=労働者党)では、
野党議員たちにもタイホの危機が訪れるかもしれず、うかうかしていられない。

そこで野党勢力は、大規模抗議活動を繰り返す国民たちの怒りの勢いをも利用し、
PT(ペーテー=労働者党)を倒すことで国民感情を沈静化させ、
なんとかうまいこと汚職事件をうやむやにしようとしているのではなかろうか。


変えるべきは政権政党ではなく、法律だ。

各省庁の長や国会議員が法律によって捜査や裁判を受けることができないようになっている以上、
どの政党のどなたが大統領になったとしても、これまでとなにも変わらない。
汚職の疑惑が出ては消え、消えては出て、するだけ。
これら一連の法律を変える、と明言している大物政治家は、知る限り、いない。

ここでキーパーソンとなってくるのが、
juiz federal Sérgio Moro
(ジュイース・フェデラウ・セルジオ・モロ=セルジオ・モロ連邦判事)
“Lava Jato” 一連の裁判で、次々に企業の大物たちに有罪判決を下している、
今、ブラジルで最も命を狙われている、勇気ある人物。

Go to Ovo de Páscoa 2016 ボイコット・キャンペーンと "Moroango"

ヂウマ大統領らは、携帯での会話を盗聴(捜査のために筋を通して)したことが法律違反だとして、
セルジオ・モロ連邦判事を更迭しようとしている。

携帯でのやり取りでは、
ヂウマ現大統領がルーラ前大統領に、
Ministro da Casa Civil(参謀長、大統領補佐官)就任の書類を作ったので、
いざとなったらこれを使いなさい、
と、Ministro da Casa Civil という言葉を使わずに、でもそれとわかる会話をしている。
この参謀室への招請は、逮捕されるかもしれない窮地に追い込まれたルーラ前大統領を護るため。

Go to "Lava Jato" ついに、ルーラ元大統領に捜査のメス

前述の、各省庁の大臣や長は刑事裁判を受けない、という特別な法律により、
ルーラが大統領補佐官になれば、今後、連邦警察は ”Lava Jato” 事件に関する彼の捜査はできず、
一連の ”Lava Jato” 裁判が行われているクリチーバの連邦刑事裁判所での裁判に持ち込むこともできない。
つまり、捜査も逮捕もできなくなる。



問題の、ヂウマ現大統領とルーラ前大統領の携帯での会話





operamundi より
2016.04.21_13 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決



弾劾賛成議員たちが掲げている “TCHAU QUERIDA!”(チャオ・ケリーダ=バイバイ、親愛なる女性)、
賛成派市民たちのデモ活動のプラカードにもよく見られるこの “TCHAU QUERIDA” は、
上の会話で電話を切るときに、ルーラがヂウマに言った挨拶の言葉。
特別な言葉でもなく、親しい人にしか言わないわけでもなく、
例えば、買い物をしてお店を出るときに店員さんに言われるし、、、、、
巷にあふれかえっている極一般的なこのフレーズが、
ルーラとヂウマの会話の象徴、そして、ヂウマ大統領弾劾を目指す合言葉として、流行っている。


もとい、
事情聴取を受けたルーラ前大統領は、“セルジオ・モロを消せ” だの、
“ブラジルの経済が低迷しているのは、政府の政策のせいではなく、
セルジオ・モロが大企業のトップらを有罪にしてしまうせいだ”
との、トンチンカンでパッパラピッピッピー、クルクルめまいがするようなアホ発言をしている。



LULA Culpa SERGIO MORO pela CRISE(ルーラは経済危機をモロのせいにしている)





世間の目は今、ひたすらヂウマ弾劾に向いてしまっているが、
Sérgio Moro(セルジオ・モロ連邦判事)と、
彼に賛同する連邦警察、弁護士、判事、検事などのグループの動きに注目していたい。
彼らは、政治家を護る不公平極まりない10条に及ぶ法律を変えるべく、国民に署名を呼びかけた。

Campanha "10 medidas contra a corrupção"
"汚職に立ち向かう10の対策" キャンペーン

国民150万人以上の署名が集まった案件は、国会で審議しなければならない。
この案件はすでに200万の署名を集め、国会に提出された。



UOL より
2016.04.21_14 一歩進んで二歩下がる?ヂウマ大統領弾劾、下院可決



しかーし、審議するのは “奴ら” だけどね。

で、
今回のヂウマ大統領弾劾を進めようとしている野党議員たちは、この動きを支持しているのか?

な、わけない。
セルジオ・モロ連邦判事らをつぶしたいのは PT(労働者党)のみならず、
むしろ、
PMDB(ブラジル民主運動党)や PSDB(ブラジル社会民主党)をはじめとする野党勢力ではないか?
このムーヴメントを抑えることができない PT に野党勢力がイライラしていることは、
容易に想像できる。

つまり、
うまいこと回りを固められない素人ヂウマを弾劾で罷免処分にして、
実力のある彼らで仕切りなおそうとしている感がある。

長くなったが、こういった意味で、二歩ぐらい後退する可能性があるのだ。


もし自分が政治家なら、国民の人気を得るこんな絶好のチャンスはないので、
“私はセルジオ・モロ氏とその仲間のみなさんを支持し、我々政治家を護るアホな法律を変えます!”
と発言して、カッコよいカリスマ政治家にのし上がろうとするぜ。
が、
そんなことしたらきっと、即刻、交通事故か強盗に遭って、命はないのだろうな。


もう一度申しておきますが、あくまでも私見でございます。


♪一歩進んで二歩下がる♪ンニャ~






17 de abril de 2016
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