FC2ブログ
          

スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Milton Nascimento ライヴ "Uma Travessia"


Milton Nascimento
ミウトン・ナスィメント

その魅力を、ライヴで存分に味わった。
嗚呼、ミウトン!しびれまくった。



Milton Nascimento ライヴ



Milton Nascimento も、
Caetano Veloso、Gilberto Gil、Paulinho da Viola、Jorge Ben Jor、
故 Tim Maia、故 Nara Leão、故 Clara Nunes らと同じ、
"奇跡の1942年組" である。

先日の Glberto Gil 同様、

Go to Glberto Gil ライヴ "Concerto de Cordas & Maquinas de Ritmo"

(昨年2012年の)生誕70年と音楽活動50年を記念して企画されたライヴツアーであり、
ミウトン・ナスィメントの集大成とも言える内容になっていた。


ツアータイトルは、
【Uma Travessia】(ウーマ・トゥラヴェッスィア)

一般的な旅を viagem(ヴィアージン)と言う。
対して travessia(トゥラヴェッスィア)は、
大陸や海などを横断、縦断、渡航することを言う。
道なき道を行く、フロンティア精神。
1967年にインディーレーベルから出されたファーストアルバムタイトルが "Travessia" であり、
これまでの彼の音楽活動を象徴する、感慨深いツアータイトルであるなぁ、と思った。


1942年 Rio de Janeiro 生まれ。
メイドさんをしていたシングルマザーの子どもとして生まれたが、
その生活は極貧で、お母上は、彼を育てるのをあきらめた。
誕生して数ヶ月で養子として引き取られた先は、裕福なヨーロッパ系白人のお宅。
それからほどなく、
Minas Gerais(ミナス・ジェライス)州の田舎町 Trêz Pontas(トゥレース・ポンタス)に
ご一家で引っ越され、
そのちっさな町で10代から始まった音楽活動は、
州都ベロ・オリソンチへ、ブラジル全土へ、そして世界へと広がっていく。

Wayne Shorter、Pat Metheny、Ron Carter、George Duke、Herbie Hancock、
などなど、
ジャズ・フュージョン系の世界的ミュージシャンらとお互いのアルバムやライヴに参加し合うことで、
ブラジル音楽ファンのみならず、幅広いファンを獲得した。
彼らと生み出したサウンドは、高クォリティーのすばらしきものである。

今回のライヴでも、ジャズセッションのような演奏も聴けた。

jazz に造詣が深いこともあるのだろう、コードの使い方が独特。
幻想的であったり、アグレッシヴであったり、
シンプルなメロディーが自由自在に表情を変え、心の琴線を刺激する。



Milton Nascimento ライヴ



1985年のアルバム "Encontros e Despedidas"
(エンコントゥロス・イ・ヂスペヂーダス=出会いと別れ)
これのタイトルチューンがたまらぬ。
この曲を聴けば、"黙る子も泣く"。
か、どうかは知らぬが、少なくともわたくしは泣きます。



Milton Nascimento - Encontros e Despedidas





お約束の "Maria Maria" は、会場中で大合唱となった。



Milton Nascimento ライヴ



Milton Nascimento - Maria Maria





MPBの枠にとどまらず、
世界の様々なミュージシャンたちと様々なサウンドを生み出している Milton Nascimento
ゆえ、
"ブラジル音楽らしくない" 曲も多々ある。
しかし、
その根底にある彼の礎石は、
圧倒的な Minas Gerais(ミナス・ジェライス州)である。
と、ブラジルで暮らすようになって、強く実感するようになった。
このライヴを観てますます、ミナスの音楽ムーヴメントに熱き想いを馳せる日々。


【Clube da Esquina】(クルビ・ダ・エスキーナ)

1963年、
州都 Belo Horizonte(ベロ・オリゾンチ)に転居したミウトンが、
大学生活や会計事務所勤めをする傍ら音楽活動をするうちに出会ったお仲間たち。

トゥレース・ポンタス時代から一緒に活動していた Wagner Tiso(ヴァギネル・チゾ)
Márcio(マルスィオ)と Lô(ロー)の Borges(ボルジェス)兄弟
Fernando Brant(フェルナンド・ブランチ)
Ronaldo Bastos(ホナウド・バストス)
Toninho Horta(トニーニョ・オルタ)
Tavinho Moura(タヴィーニョ・モウラ)
Beto Guedes(ベット・ゲジス)
Flávio Venturini(フラーヴィオ・ヴェントゥリーニ)

……………など、
すばらしき作詞家、作曲家、演奏家、シンガー、アレンジャーであるミナスの若き音楽家集団との出会いが、
ミウトンのその後の人生を変えた。
私の知る限り、
Milton Nascimento の楽曲の大半が、ご本人も含めたこのメンバーたちによって作詞作曲された曲である。
彼らはロックやジャズにも傾倒していて、The Beatles と The Platters の影響を強く受けている。

この、ミナス発の音楽ムーヴメントはのちに、
メンバーで作詞家の Márcio Borges(マルスィオ・ボルジェス)によって

"Clube da Esquina" と命名された。

クルビ・ダ・エスキーナ= 街角クラブ(とでも申しましょうか)
esquina(エスキーナ)は、角、隅、曲がり角、のこと。
"Clube da Esquina" は、
おしゃべり好きのブラジルのお人たちがその辺の道の角に集まって、
おしゃべりに興じる様子を表した言葉でもある。

それにしても、だ、

サウヴァドール発 Tropicalismo(トロピカリズモ)、Tropicália(トロピカーリア)と言い、
この、ベロ・オリゾンチ発 Clube da Esquina(クルビ・ダ・エスキーナ)と言い、

この時代のブラジル音楽のアグレッシブな動きは、本当に興味深い。
このほかにも各地で奇才が寄り集まり、様々なジャンルの奇跡が起こっていた。
この際『寄』も勘定に入れてだな、一文中に『奇』が3つもあるのもスゴい。

奇跡も、こんなにたくさん起これば、偶然ではなく必然だろう。

それらサウンドは、デジタル化が進んでこんなに世の中が変わっても、永遠のカッコよさがある。
すでに Tom Jobim は活躍していたわけだし、Jorge Ben も Caetano も Gilberto Gil もいて、
欧米のミュージシャンたちにとって、

"ゲゲゲゲゲッ!なんなんだコイツら。どーなってんだ?ブラジル"

だったんだろうな。

んで、
"Clube da Esquina" のお仲間たちが出会ってから10年ほどが経った 1972年、
"泣く子も黙る" 超名盤を世に送り出した。
泣く子が黙るかどうかは知らぬが、少なくとも私は黙ります。



Milton Nascimento ライヴ  Milton Nascimento ライヴ



そのタイトルはズバリ、
"Clube da Esquina"(クルビ・ダ・エスキーナ)

Milton Nascimento(ミウトン・ナスィメント)と Lô Borges(ロー・ボルジェス)
連名でリリースされた。
Milton の数あるアルバムの中で、もっともよく聴くアルバムかもな。今でも。
'78年には "Clube da Esquina 2" もリリースされている。

今回のツアーには、
"Clube da Esquina" の主要メンバーであり、
50年超に渡ってミウトンのサウンドを支え続けている、
ピアニスト、マエストロ、作曲家、アレンジャーの Wagner Tiso(ヴァギネル・チゾ)と、
作曲家、シンガーの Lô Borges(ロー・ボルジェス)が、
ゲストで参加している。

なんたる贅沢!



Milton Nascimento ライヴ 'Clube da Esquina' 03
共に歌う、盟友 Lô Borges と Milton Nascimento



今回のライヴでは、このアルバムに収録されている曲をたくさん演奏してくれた。

うれしかった!
感激した!



Milton Nascimento ライヴ 'Clube da Esquina' 04



育てのお母上である Lília(リリア)さんが音楽の先生で、
Milton に少なからぬ影響を与えたようだ。
今回のライヴでは、リリアさんに捧げる曲 "Lília" も演奏された。
この曲には詞がない。
Lalala……………で歌われている。

「母の詞ならいくらでも書けるけれども、どんなに言葉を尽くしても彼女には近づけない」

この曲は・・・そういうことだったのか。
interior(内陸)のリズムとメロディーに、
今回のライヴでは前衛的なジャズセッションが加わって、
めちゃカッコよかった。



Milton Nascimento - Lília ("Clube da Esquina")




このアルバムに収録されている "Clube da Esquina Nº 2" は、
ミウトンとロー&マルスィオのボルジェス兄弟によって作曲されたインスト曲である。
(Nº 2 の付いていない "Clube da Esquina" は、
 '70年のアルバム(これも名盤、愛聴盤!)"Milton" に入っている。)



          Milton Nascimento ライヴ 'Clube da Esquina' 05



もとい、
で、インスト曲 "Clube da Esquina Nº 2" だが、
アルバム "Clube da Esquina" リリースから7年後、
Nana Caymmi(ナナ・カイミ)のたっての依頼でマルスィオ・ボルジェスが詞をつけ、
'79年のナナ・カイミのアルバムに収録されたあと、
ミウトン自らも、
Wayne Shorter、Herbie Hancock、Ron Carter、Pat Metheny、
Peter Gabriel、James Taylor などなどが参加した、
'94年のアルバム "Angelus" の中で歌い、
また、多くのミュージシャンたちにカヴァーされている。
今回のライヴでも、歌ヴージョンを聴けた。



Milton Nascimento - Clube da Esquina Nº 2





私が勝手に認定する "世界一カッコいい曲"(たくさんある)。
これもですだ。
ローとマルスィオのボルジェス兄弟が生み出した名曲。
詞とメロディーとアレンジが一体となって、グッとくる。
君は君の信じることを一つ一つやっていけばいい、と、励まされる気がする。

"Clube da Esquina のムーヴメントは、特に詞が、当時の若者たちの共感を得た"

との記事をネットで見つけたが、現代の中年でも共感いたしますことよ。

近年では Seu Jorge(セウ・ジョルジ)がライヴ盤でカヴァーしている。



Milton Nascimento - Tudo Que Você Podia Ser ("Clube da Esquina")





さらに、
"O Trem Azul"(オ・トゥレン・アズウ=ブルー・トレイン) を、
ロー・ボルジェスご本人のヴォーカルで聴く、という果報者。
還暦を過ぎていらっしゃるハズなのに、なに?このフレッシュな感じ!



Milton Nascimento ライヴ 'Clube da Esquina' 06




ブラジルのお若い方々は、"あ。TIM の曲じゃん!" とお思いになるであろう。
1年ぐらい前から、サビの部分が携帯会社 TIM(チン)の CMテーマ曲となり(カヴァー)、
しょっちゅうテレビから流れてくる。
しかしだ、若人よ、
Lô Borges のオリジナルは、あのCMよりも、もっともっと心をざわつかせるぞ。
と、日本語でここで吠えても仕方ないか。
ビートルズの出汁がいい塩梅に効いた "ロー・ボルジェス節" がギュッと詰まった名曲!
この曲もまた、多くのミュージシャンにカヴァーされている。



Lô Borges - O Trem Azul (Clube da Esquina)





ミナスを車で旅したとき、
海のないこの州の、cerrado(セハード=高原サバンナ地帯)独特の風景に似合う音楽は、
サンバやボッサ・ノーヴァではなかった。
Milton Nascimento ら、
ミナスのミュージシャンから出てくるメロディーやリズムを、五感で感じた。
このライヴで、その感覚を思い起こした。


嗚呼、至福のひとときだった!






18 de maio de 2013
Milton Nascimento ライヴ "Uma Travessia"
música 音楽

>>> principal ホーム >>> introdução はじめに >>> categoria カテゴリー >>> música 音楽 >>> música brasileira ブラジル音楽 >>> Milton Nascimento ライヴ "Uma Travessia"

>>> novidades 更新情報

>>> artigos 記事一覧

Utility

perfil プロフィール

TAMAGO

Author:TAMAGO
1999年より
ブラジルで暮らしている
日本人でございます。

Olá !

Sou japonesa,
moro aquí no Brasil
desde 1999.
Tem artigos que escrevi em português.
Ir para a página "artigos"

atenção ご注意

© 2009-2018 TAMAGO
All rights reserved.
Todos os direitos reservados.

日本ブログ村 海外生活 ブラジル情報

にほんブログ村 海外生活ブログ ブラジル情報へ
にほんブログ村

ランキング参加中につき
クリックしていただければ有り難き幸せにござりまする

follow me on twitter

Twitter にて
当ブログの更新情報を配信しております

link

こちらをクリック

o número de visitantes ご来客数




administração 管理人室

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。